昨年11月から継続している論文の抄読会で、ツボと経絡の所在に関する研究論文を講読しました。

皮膚は考える』、『第三の脳』などで有名な資生堂研究所の傳田光洋博士による、『Possible Role of Epidermal Keratinocytes in the Construction of Acupuncture Meridians』(鍼の経絡の構造における皮膚ケラチノサイトの役割の可能性)というものです。

皮膚表面に分布するケラチノサイト(角化細胞)が、物や温度などによる刺激を受けると、その興奮が波のように一定のパターンで周辺に伝播していくことを解明したものです。

ケラチノサイトが体表の情報収集ネットワークとして機能しており、鍼灸(東洋医学)で「”気”の流れる道」とされる「経絡」はこれに相当するのではないかと考察されていました。果たしてその伝播はどのくらいの距離まで伝わるのか、経絡の方向と本当に一致するのか、など、一つのことをしるとさらにたくさんの疑問点が出てきます。

「鍼を打って辛さが治る」こと、これが私たちの第一仕事ですが、その現象がなぜ起こるのか、「治るから治る」ではなく、その仕組みを知り、わかりやすく患者さんに伝えることが大切だと考えています。

私は大学や教室で中国語を教えていますが、複雑きわまる言語現象や文法事項を、一回の授業でわかるように整理し、聞きやすく、「おもしろい」と思える形で時間内に話せるよう心がけています。

これは臨床での患者さんとのコミュニケーションにずいぶん役立っています。
あるいはその逆で、臨床での経験が授業に役立っているのでしょうか?
いずれにせよ授業も臨床治療も、私にとっては「技術を使って相手の問題を解決し、わかってもらう。そしてできれば『おもしろいな』と感じてもらう」という目的においては何ら変わることはありません。

私たちの治療院で、自分の体で起こっていることに意識を向け、「おもしろいな!」と感じてもらえるような時間を過ごしてもらえればいいなと考えています。

─神戸元町・花隈の南天はり灸治療院― 
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