先日から、中心性網膜症の患者さんを診ています。

 

中心性網膜症というのは、網膜の中にある「黄斑」という部位に「水ぶくれ」が起きる病気です。

 

黄斑

中心の暗くなっている部分が黄斑です

 

黄斑というのは、光を感じる視細胞が高密度で存在する部位で、視力に直接関係しています。

ここに水ぶくれが起きてしまうので、視界に黒い点が現れたり、ものが歪んで見えたりします。

メガネに水滴がつくと、像が歪みますよね? ざっくり言うとあれに似たようなものです。

 

この患者さんは、もともと片方の目に症状があり、もう片方にも症状が出てきたために当院を受診されました。

 

先に言ってしまうと、経過はかなり良好です。

視野の欠損、歪みの悪化は止まり、先日の検査では目の中の水ぶくれが減少したとの結果が出ました。

何年も前から患っている左目の方も改善しているので、医師が驚いて「何か他の治療を始められたのですか?」と尋ねてきたそうです。

こういうケース、実は結構たくさんあります。緑内障の患者さんでもそうでした。

 

では、なぜこのようなことが起こったのでしょうか。

 

鍼によって眼球内の水分の循環がスムーズになっているという理由が考えられます。

目というのは、内側に水をたっぷり含んだボールです。

内部での水の循環が妨げられると、眼圧が上がったり、今回のような網膜症が起こったりと、さまざまな病気の原因になります。

もちろん、目に直接鍼を打つようなコワイことをするわけではなく、目の周囲の皮膚に触れて(触診)、治療ポイントを探します。

実は、目の周囲の皮膚には眼底(目の一番奥)に連絡している部位があり、目の不調をお持ちの方にはここに如実な反応(いわゆるツボ)が現れます。

 

ここを探しだして、適切な量の治療を行っていきます。痛みはありません。

ほとんどの方が治療中は気持ちよくて寝てしまいます。

 

あまり知られていないかもしれませんが、目の病気で鍼治療を受けられている方は、かなりたくさんおられます。

私も昔からかなり近視がきつく、鍼灸師になってからは自分で鍼を打ったり、ローラーをかけたりといった治療をしています。おかげで調子はいいです。私にとって、目が原因の苦しみは決して他人ごとではありません。

 

中心性網膜症だけでなく、緑内障を始めとする難治性の眼科疾患は、一度われわれ鍼灸師に相談してみることを、強くつよくおすすめする次第です。