鍼灸治療の一般的な時間は、およそ50分。
この間に、鍼を打ったりお灸をしたり、ローラーをかけたりと、さまざまな方法で患者さんの体に刺激を与えます。

当然、刺激は大きければいいというものではありません。
ネコ舌の人とそうでない人がいるように、刺激に対する感受性は千差万別、「これくらいの刺激ならOK」という万人向けの基準はありません。

「痛い鍼、熱いお灸なら効く」というのは大間違いで、患者さん本人の許容量を超えてしまえば、治療どころか害悪になってしまいます。
治療はあくまでも心地よくあるべき、というのが私たちの信条です。

患者さんに頂いた時間内にその呼吸を見きわめて、最大限の効果がでるように施術するわけですが、
仮に一週間に一回治療を行うとして、治療に来られた約1時間分以外の6日間と23時間(167時間)、患者さんは私たちの手の届かないところで生活を送っています。

そのため、セルフケアの手段として、家でできるローラーやお灸のアドバイスも行っています。
生活の中に簡単にできる治療を加えることで、治療の効果をさらに高めるという狙いがあります。

そんな日常使いの治療ツールの一つに、「円皮針(えんぴしん)」というものがあります。

これは、シールにごく小さな鍼がついているもので、絆創膏のように皮膚に貼り付けて留めておきます。
貼るときにも痛みはありませんし、貼ったまま生活することができ、剥がして捨てるのも簡単。
反応点(いわゆる「ツボ」の部分)に、常に刺激を入力し続けることができます。

円皮針
「円皮針」よーく見ると、小さな小さなハリがついています。

私もこの円皮針を愛用しています。
パソコンでものを書く仕事があり、治療時にも鍼の動きを凝視していますので、疲れ目がでます。
寝る前にこの円皮針をこめかみ近くに貼るだけ。朝には剥がしてしまいます。
寝ている間の「睡眠学習」ならぬ「睡眠治療」です。

これのおかげで、日中、目が疲れたり乾いたりすることが少なくなりました。

病気は小さな問題の積み重ねで起こってきます。
治療も、小さな努力の積み重ねにほかなりません。

目にはこれから数十年間も頑張ってもらわなければなりませんから、こうして小さなメンテナンスを積み重ねているというわけです。