Amazonで洋書が安くなっていたので、前々から気になっていた書籍を購入しました。

『An Introduction to Western Medical Acupuncture』という本です。

『西洋医学的鍼灸の手引き』といったところでしょうか。

私たちは、「反応点治療」という、神経生理学的視点から鍼灸のメカニズムを考える方法で治療を行っており、いわゆる「気」や「経絡」とは少し違う視点で鍼治療をしています。

鍼は一体なぜ効くのでしょうか?

実験機器もなく、経験だけに頼るしかなかった古代中国では、その原理を「気」や「経絡」といった概念に求めていったのでした。

鍼による体への刺激の伝達を担っているのは、間違いなく神経ですから、問題のある臓器と皮膚との連絡、表皮に現れる反応の関係を探っていく必要があります。

この本は、西洋医学的な視点から、どのように鍼が体に作用するのかを基礎から説いているものです。

残念ながら、このようなタイプの本は日本ではあまり多く出ておらず、こうして海外で出版された書籍や論文を読んでいくしかないわけです。

なんとオランダには「小児鍼」を研究している先生がいて、その名もずばり『Shonishin』と題した専門書まで出版されています。

日本では、はるか昔から人々の生活とともにあった鍼灸ですが、いまはどうやら欧米での研究の方が盛んに行われているようです。

自分たちが元々もっている良いものを活かしきれず、他の国に「発見」されて初めて見なおそうとするのは、もはやわが国の伝統芸ですが、今後科学の進展にともなって鍼灸の仕組みがどんどん解明されていくのを、一臨床家として追いかけ続けていきたいと思っています。