あっという間に真夏になりました。外を少し歩くだけで汗びっしょりになります。ただ、汗とは気温だけでなく、精神的な原因でかくこともあります。不必要に汗が出る症状のことを「多汗症」といいますが、多汗症の治療に鍼治療が有効であった症例を米フロリダ大学の研究者が報告しています。

米フロリダ大学のBrett Martin博士は「多汗症の鍼灸治療:症例報告」と題した記事を『The Journal of Chinese Medicine』誌に掲載、鍼治療によって多汗症が改善した例を紹介しています。(http://www.jcm.co.uk/news/latestissue/)

不安による手掌(手のひら)多汗症で書写にも支障をきたしている患者に対して行われました。Martin博士による鍼治療により、数週間で多汗症は70%減少し、治療終了から1カ月後も、多汗症は40%の減少を維持、以前と比較してはるかに良好な状態にある報告しています。

また、博士は生活の質も改善し、不安症状も少なくなったと報告しています。

当院でも精神的な要因がからむといわれる症状を多数経験しています。多汗症もありますし、特に多いものにはめまい、頭痛、胃腸障害などがあります。確かにこのMartin博士のように、症状そのものはもちろん、不安症状自体が減ってきているという例は多数みられます。

鍼灸師に患者さん個人の社会的環境を変える力はありませんが、体内の炎症や、筋肉の緊張といった、意識に上らない不調(=未病)に対処でき、それにより身体的なストレスを軽減させられるからではないかと考えています。治療室は個室ですから、お話がしやすいということもあるのかもしれません。