全身治療では、症状をお持ちの部分以外もしっかりチェックして必要な治療をおこなっていきます。

その際に、頭、顔面部も診させていただくのですが、話をうかがっていると、口の開け閉めがスムーズではなかったり、痛みが出ることがあるとおっしゃる方が少なくありません。

触診してみると、たしかにあごと、側頭部とあごにある「咀嚼(そしゃく)筋」に強い緊張が出ています。

 

この側頭部の筋肉は、「こめかみ」にあたる部分です。

「米噛み」が語源ですが、その名の通り、食事をする際にあごを動かす筋肉です。

もうひとつの、ほっぺのあたりにある筋肉を、「咬筋(こうきん)」といいますが、これは文字通り「咬む」ための筋肉で、あごの開け閉めに関与しています。

このあたりの筋肉は、ものを食べたり、話をしたりする際に頻繁にはたらきますので、その分筋肉の緊張も起こりやすく、過剰に緊張してしまうと、頭痛やあごの痛みを引き起こします。

そして、もうひとつ、あごの骨の裏側に「外側翼突筋(がいそくよくとつきん)」という長い名前の筋肉があります。

頭蓋骨を後ろから見た図です。

この斜めに走っている筋肉も、口の開け閉めにかかわっています。

この筋肉は少しやっかいです。

外から触ることができませんので、マッサージなどでの治療が大変むずかしいのです。

しかし、こういった部分こそが鍼の出番。

骨の小さなスキマを通して、この筋肉に当てることができるので、側頭筋、咬筋と合わせて、あごの痛みにはてきめんの効果を発揮します。

 

もちろんこれは基本的な考え方で、ほかの部位も見きわめながら、患者さんそれぞれの体にいちばん適した部位、刺激量で治療を進めていきます。

これと合わせて、後頭部や肩、首などの筋肉を同時に整えていきます。

治療後は、かなりあごがすっきりした感じを味わえますよ。

 

顎関節症の症状は、「関節」という言葉から骨の異常を連想してしまうかもしれませんが、筋肉の状態に着目することが必要です。

この記事がつらさを抱えている方の参考になれば幸いです。

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