「マインドフルネス」とか「瞑想」というものが流行をみせています。

わたしも元々仏教にはすごく関心があって(大学のときの「仏教学」という授業がおもしろかった。あとは手塚治虫の『ブッダ』)、いろいろと書籍を読んできたのですが、その修行の一環である「瞑想」という方法は、とにかく、いまこの瞬間に「気づく」ということを主眼に置いています。

「瞑想」というと「無になる」とか、「雑念を払う」ということを目的とするように思われがちですが、読書を通して、本来は「実在するこの『いま、ここ』という瞬間に集中して、ありのままを観察するもの」であるということを学びました。

人は起こっている現象について、間髪をいれずに「好ましいな」とか「ああ、いやだな」といった価値判断を行いますが、それを取り払って、ただただ目の前の現象を眺める、ということです。だから、じっと座っていることが瞑想なのではなくて、日常生活の一瞬一瞬が瞑想たりえるのです。

わたしは別に専門的に瞑想をトレーニング受けたわけではないので、正しい方法で実践できているとは思わないのですが、治療に臨んでいるときの心境がこれに近いかなと思っています。

みなさんもそうだと思いますが、何かをしているときでも、絶え間なく雑念が浮かんできますよね。「お腹空いたな」とか「例の件どうなったっけ」とか、それこそ、仕事中に「次の段取りを考える」ということも、その瞬間に集中していないという意味で、雑念であるといえます。

この雑念を、「いけないいけない」と「価値判断」を加えて捨て去るのではなくて、「あ、雑念が出てきたな、まあいいか。さ、集中集中」という風に、いったん受け止めた上で元に戻るようにします。

いちいちプラスマイナスの評価をくだすのではなく、受け入れて、ふたたび集中する。

治療中の心の動きを、このように仕向けるようにしています。

その方が結果的に集中して治療できますし、自分の心の動きにいちいち嫌悪感を抱かずに済むので、精神衛生的にも良いなと感じています。

もちろんこのような心の持ち方は、日常のあらゆる局面に取り入れることができますが、治療室という、静かで、集中できる環境だと、よりいっそうはかどります。

というわけで、患者さんへの治療はわたしにとっては自分の心を整える機会にもなっています。治療に集中力を注ぐことで、正確、無駄のない治療にすることにも役立っていますので、患者さんに良い治療を提供する方法になっていると考えています。(これが一番だいじ)

治療中に何を考えているかを明かすことは気恥ずかしいのですが、わたしはこんな風に考えています、ということを紹介してみました。

この本は本当におもしろいので、おすすめです。治療院にも置いています!