腰痛や膝痛など、痛みの症状の話です。

実際に痛みがある部分と、痛みを引き起こしている原因が異なっている場合が少なくありません。

痛みがあるのは腰であっても、その痛みを作っているのはお尻だったり足だったりします。

膝痛の場合、それはお尻であったり太ももの筋肉であったりします。

もちろん、痛む場所に直接鍼を打っても痛みを和らげることはできるのですが(多くの治療家がそのように治療します)、原因点に施術するほうが、患者さんの負担なく治療することができ、効果も高いのです。鍼を打つ本数も減らせます。

患者さんが「腰が痛い」とおっしゃっているのに、わたしがまったく関係なさそうな場所に鍼を打つと、患者さんはキョトンとしています。

その後、腰の痛みが消失してしまうと、患者さんはもっと不思議そうな顔をされますが、それには上のようなカラクリがあるからです。

人体はわたしたちの想像よりも、外から見える姿よりも、解剖の本に書いてあるよりも、もっともっと精巧なしくみで互いに連絡しあっています。

その精巧なしくみの一端に触れたとき、鍼灸はこの上なく魅力的なものになります。患者さんにとってはもちろん、わたしたち鍼灸師にとっても。

生涯かけてその不思議さを探求したいと思わずにはいられない、最高に魅力的な治療法です。